GNU strip を悪用した Trusting-Trust 攻撃が Linux ディストリビューション全体を侵害

Trusting-Trust Attack against an Entire Linux Distribution

Ken Thompson の trusting-trust 攻撃は、コンパイラが生成するプログラムにバックドアを仕込み、自身の再ビルドにもそのバックドアを繁殖させるという、コンパイラ特有の脅威と広く考えられてきた。しかし、この攻撃はコンパイラに限らない。本研究では、ソースコードを検査も生成もしない一般的なビルドユーティリティである GNU strip に対して、完全な trusting-trust 攻撃を構築した。ELF ファイルの操作のみを用いて、NixOS Linux ディストリビューションのブートストラップ過程で、単一の改ざんされた strip がペイロードを注入し、それが世代を超えて伝播して最終的な標準環境にまで生き残ることを実証した。実際の nixpkgs リビジョンでは、この攻撃は完全なグラフィカルインストーラをエラーなく構築し、そのほぼすべてのバイナリにバックドアを仕込み、パッケージの任意の悪意ある動作を可能にした。

コンパイラに特有の脅威と広く考えられてきた trusting-trust 攻撃は、実際にはコンパイラに限らない。

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2026-09-07