1300年にわたり20年ごとに再建され続ける伊勢神宮が、技術伝承の金字塔である理由
Ise Jingu and the Pyramid of Enabling Technologies (2021)

伊勢神宮は2000年以上の歴史を持ち、式年遷宮と呼ばれる20年ごとの再建を1300年以上続けてきた。この再建は単なる建築ではなく、7世紀の経済の一部を再現する大規模な事業であり、伝統技術の継承を目的としている。本稿では、物理的技術の背後にある「プロセス知識」の重要性を考察し、文章化が難しい技術を維持するには制度が必要だと論じる。ローマ帝国のコンクリートやサターンVが再現できない例を挙げ、現代社会がプロセス知識を失うリスクに警鐘を鳴らす。
プロセス知識の多くは文章化できないため、それを生かし続けるには最終的に制度が必要となる。個人の大工の知識はその大工が死ねば失われるが、大工ギルドがあれば、その技術を絶やさない新人の安定した供給を確保できる。