ベトナム・ビンチャウ沖の唐末期沈没船、アラビア語の墨書が明かす9世紀の海上貿易
The Vietnam Binh Chau (Chau Tan) Late Tang Wreck

2013年にベトナム中部クアンガイ省のビンチャウ海岸で嵐により露出した沈没船は、唐末期(9世紀後半)の積荷を今に伝える。積荷は長沙窯の絵付け陶器、越州窯の青磁、邢窯系の白磁、広東の緑釉陶器で、ベリトゥン沈没船の積荷と類似するが、船体構造は東南アジア式で、アラビア語の墨書が施された壺も見つかった。墨書は航海の安全を祈る宗教的文言と解釈され、当時のアラブ商人の活動を示す。沈没年代は「乾符」(874-879年)の銘から特定され、黄巣の乱による広州の混乱で交易拠点がベトナムに移った可能性を示唆する。
「最近、海船がもたらす貴重で珍しい品々は、ほとんどが安南に運ばれてそこで取引されている」