ソフトウェアのユニットエコノミクスに異変:AIがもたらす新たなコスト構造
Something is changing in the unit economics of software

ソフトウェアはかつて、一度作れば追加コストほぼゼロで何百万人にも配布できるという「超能力」を持っていた。だがAI時代に入り、ユーザー操作のたびにLLM推論コストが発生するようになり、その優位性は崩れつつある。ICONIQの調査によると、AI製品の平均粗利率は2026年時点で約52%と、SaaSの常識だった75〜85%を大きく下回る。さらに、ヘビーユーザーとライトユーザーでサービス提供コストの差が拡大し、定額課金モデルが成り立たなくなってきている。本稿では、AIがソフトウェアのユニットエコノミクスを根本から変えつつある現実と、それに対する合理的な戦略を考察する。
AIは、利益率と品質を、単位あたりのコストという根本的なレベルで直接衝突させる初めての存在だ。